グルコサミンは、動物や人間の体内にあるアミノ糖の一種で、ムコ多糖成分として 軟骨や結合組織に分布し、軟骨細胞を形づくる、重要な栄養素のひとつです。加齢と ともに合成が分解に追いつかなくなり、グルコサミンが不足すると、関節内での細胞 の新陳代謝に障害が生じ、関節障害を引き起こす原因になります。
グルコサミンは、自然界にも広く分布しており、特にカニやエビなどの甲殻類の殻
にはキチン質として多く含まれています。キチン質は人体では吸収されないため、さ
らに分解して効率よく吸収できるようにしたものが、グルコサミンです。
グルコサミンを上手に取り入れ、より健康でいきいきした毎日を送りましょう。
グルコサミンは、生体に含まれている成分で、有害性はありません。食べた後、すみやかに吸収され各組織に行き渡ります。
ラットの急性毒性試験や、微生物での変異原性試験でも、安全なことが確認されています。また、ヨーロッパでは大勢の変形性関節症の患者に対して、グルコサミンを治療薬として長期にわたって投与してきた実績がありますが、これまで副作用などの報告はありません。
軟骨がすり減ることから起きる関節の不快感に、日本の医療業界では有効な特効薬はありません。痛み止めや抗炎症剤、関節内注射は、痛みや炎症を抑えるもので、関節症そのものを治療するものではありません。副作用や、長期間の服用による悪影響も考えられます。しかしグルコサミンは、関節軟骨の構成成分の一部ですから、不快感の軽減、症状の進行の阻止や、関節機能の回復を促して違和感を取り去ることも可能です。もともと体内にふんだんにある安全無害な成分であることも魅力です。グルコサミンを早めに補給することで、関節の病気を予防することもできるのです。
グルコサミンは、通常1~1.5gを目安に食べてください。膝などの痛みが特にひどい方は、量を増やしましょう。状態がよくなってきたら、1日1gで十分です。
1日の目安量を1回で食べてもよいのですが、食べた後、腸ですぐ吸収されるので、グルコサミンが体内で持続するよう、2~3回に分けて食べるとよいでしょう。
グルコサミンは、くっついている分子の違いによって硫酸塩、塩酸塩など色々な種類がありますが、どれも食べた後、腸で吸収され、血液に入る前に塩がはずれてグルコサミン単独になり、体内に行き渡ります。種類は違っても、働きは同 じですが、グルコサミン塩酸塩の方が、硫酸塩に比べ分子量 が少ないので、経済的で効率的な摂取ができます。
私たちが自由自在な姿勢がとれるのは、関節のおかげです。
その関節を覆っている軟骨は、様々な力が加えられるにもか
かわらず、スムーズな動きをするため、大変な重労働を担っ
ています。関節を動かしているうちに軟骨はすり減り、「変
形性関節症」と呼ばれる病気が現れてきます。
軟骨がすり減るに従って、軟骨の表面の成分が摩耗物質と
なって関節の中に散らばっていき、関節の内側の滑膜を刺激
します。その摩耗物質を取り除こうと滑膜が分解酵素を出し
ます。しかし、分解酵素は滑膜にも刺激を与えて痛みを生じ、
やがて腫れたり、熱を持ったり、水がたまるなどの炎症を引
き起こす原因となります。この悪循環が「変形性関節症」の
慢性化となり、症状を悪化させるのです。様々な治療が行わ
れてきましたが、残念ながら特効薬はないとされています。
【正常な関節】 関節間隔は広く、軟骨の摩耗や損傷もみられません。
【軟骨がすり減ると・・・】 軟骨がすり減ると、骨がこすれ合い、痛みや違和感が生じます。
年配の方、肥満の方、スポーツマン、立ち仕事の多い方 は、膝や腰などの関節に、重力や圧力などによるの負担が 大きいため、変形性関節症になる確率が高いと言えます。